へたれお母さんの雑記帳

2015年生まれ長女・2021年生まれ次女を育てる、へたれママ医師の日記。

保健所だって大変だと思います。

世界、ないし日本各地でも、コロナと最前線で闘っている医療従事者への感謝の気持ちを表明しようと、拍手やらライトアップやらが行われているそうです。

拍手…?
ライトアップ…?

気持ちはありがたいけれど、なんとなく腑に落ちない私の気持ちにはあえて言及しません。

ここで私が気にしているのは、その「感謝される医療従事者」の中には、保健所で感染症対策にあたっている職員は含まれているのだろうか…ということです。

私は数年前まで、保健所で感染症対策の仕事をしていました。その職歴を知る人からはこぞって、「あのまま保健所にいたら、大変なことになってたね。」と言われました。
ええ、考えたくもないくらい、悲惨な状況だったと思います。家に帰れなかったかもしれないし、もう精神的に病んでいたかもしれません。

医師の世界で「保健所勤務」というと、よく「9時5時で帰れていいよね。」と言われますが、私のいた感染症部門は、そんな事は全くありませんでした。

感染症の届けが出たら、時間関係なく待ったなしで対応、患者に面接し、病歴や接触歴を聞き出す。接触者にも連絡を取り、健康状態の確認、フォローが必要です。

私は県内でも規模の大きな保健所にいたのですが、それでも感染症担当は4人程度。その少ない人数で、複数の市町村を担当します。

現在、こちらの県内では、中規模保健所管内での感染者が多発しています。私の記憶では、おそらくそこの感染症担当者は2~3人だったはず。その人数であの数を対応するのは、かなり逼迫した状況だと思われます。

また、公務員は定期的に異動があり、3月までは全く別の部署(母子保健、高齢福祉、精神保健などなど)にいた人が、いきなり異動で放り込まれ、複雑な条例やら何やらを新たに覚えながら、待った無しの対応をしなければいけないのです。本当に大変なんです。ましてやこのコロナ騒ぎの渦中、混乱を極めていると思います。

行政は何かと批判の対象にされますが、中で働いているのは「普通の」人達です。行政といえども、所詮は人のやることなのです。完璧な対応ができないのは、当然のことです。
全ての人が、未知の感染症を前に混乱しています。当然、保健所で対応している人達も、それは同じです。それでも、自らの立場に踏みとどまり、必死に働いてくれているのだと思います。

保健所、ないし行政で対応にあたっている方々には、本当に頭の下がる思いです。






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