へたれお母さんの雑記帳

2015年生まれ長女・2021年生まれ次女を育てる、へたれママ医師の日記。

自粛へはたらきかける気持ち。

県内では、連日コロナの感染者が増えています。

私が勤務する病院でも、徐々に診療制限を開始するようです。(緊急性のない手術や、安定している定期通院の患者さんの受診を抑えめにする。)

日常生活も、基本的には「自粛」です。常に「これは可か不可か」を考えて行動しています。

ふと、自粛にはたらく自分の思考を振り返ってみました。


感染して、自分が重症化するのが怖い。
自分から感染した家族や周りの人が重症化してしまったら嫌だ。

こんなふうに、まずは単純に感染により命が脅かされることを恐れる気持ち。

その他にあるのが、自分が感染した場合に想定される、社会的な影響を恐れる気持ちです。

私がもし感染した場合…

夫と娘の日常生活が脅かされます。
当然、濃厚接触者として扱われ、感染していた場合は入院、していなくてもしばらくの軟禁生活。
騒動が収まった後も、それぞれの場所で何らかの「居づらさ」を抱えるかもしれません。
娘がそんな状況になるなんて、考えるだけで辛い。

そして、私は病院勤務の医師です。
きっと「◯◯病院の30代女性医師コロナ感染」と報道されるでしょう。
病院への影響は計り知れません。

私は院内のあらゆる病棟へ往診に行っています。血液疾患のように、免疫抑制状態にある人も診に行きます。

ウィルスを擁した私が、院内あちらこちらを診察して回っていたことになる。あの病棟も、この病棟も。
もし患者さんにうつしてしまったら。
もし、免疫抑制状態の患者さんにうつしていたら…。
恐ろしいです。

院内は狭い世界だから、きっと感染したのは私だとバレるでしょう。
状況によっては、職場に居られなくなるかもしれません。

これが、できる限りの感染予防策をとった上での感染だったら、まだ世間は「仕方ない」と見てくれるかもしれない。

でも仮に少し気が緩んで、「ちょっとイオンモールへぶらっと…」なんて行った後での感染だったら(勿論行かないけど)、きっと「数日前にイオンモールで買い物」なんて報道されて、「医師」という色眼鏡も手伝って、ひどく叩かれるのだろうなと思います。いわゆる社会的制裁です。

もう職場には戻れないかもしれないし、住む場所も追われるかもしれない…そこまで考えてしまいます。


こうして考えてみると、「命が脅かされる怖さ」よりも、「社会的な影響ないし制裁を恐れる気持ち」の方が現実味を帯びていてイメージしやすく、より強く私自身の「行動自粛」に働きかけている気がします。

もちろん自分が死ぬのも、家族や大切な人が亡くなってしまうのも嫌です。命を重んじ、純粋にそこから行動を起こせればよいのだろうけど。しかしどうしても、「命の危機」というのは頭では「怖い」と分かっていても、実感し難い。実際にコロナは軽症で済む確率が高いことからも、「まあ大丈夫だろう…」という考えがどうしても出てきます。

それよりは、実際に自分が身を置いている社会的立場から想像を働かせた方が、より恐怖を感じやすい、行動に繋がりやすいのではと思いました。


だからどうってわけでもないのですが。
ふと考えたことを、書いてみました。不快に思われた方がいたらすみません。




お読みくださり、ありがとうございます。
にほんブログ村 子育てブログ ワーキングマザー育児へ
にほんブログ村