こちらの本を読みました。
- 作者: 和田秀樹
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2017/03/17
- メディア: 新書
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従来型受験(ペーパーテスト)のメリットが説かれています。
従来型の受験で得られる高い学力と経験は、社会に出てからも役に立つ、という考えです。
印象に残った部分をいくつか。
①受験で身に付く「ノウハウ学力」
受験で身に付くのは「コンテンツ学力」(知識)と「ノウハウ学力」。受験はノウハウが大切。がむしゃらに勉強するのではなく、自分の目標とする大学に合格するためには、何をどう勉強したらよいのかを考え、実践する。
この経験は、社会に出てからも役に立つ。問題を解決するために、どうアプローチしたらよいのかを考える。これって昨今流行りの「生きる力」じゃないかー。
②改革後の受験では、教育格差がよりいっそう進んでしまう。
面接や小論文などを重視する受験になれば、それらに特化した対策が必要となる。対策のために塾ができてくる。当然そういった教室の豊富な都心、そしてお金をかける余裕がある所得層がいっそう有利となる。従来型の受験では、学校の勉強を頑張れば「地方」「所得下位層 」でも逆転の可能性があったが、それが困難となる。
③短所より長所を伸ばす。
自分自身では「短所」に目が行きやすいが、周りの人間は「長所」に目が行きやすい(隣の芝生は青く見える)。だったら、長所を伸ばしてアピールした方が成功しやすい。
受験でも、高得点で合格する必要はなく、合格点を取ればよい。ならば、得意科目を伸ばして点を稼いだ方がよい。
など。
灘高で一時期落ちこぼれていた和田先生、周りの大して頭の良くなさそうな先輩達(て言っても灘ですけどー)が東大に合格するのを見て、「俺にもできるかも」と、一念発起したそうです。「ノウハウ」を駆使して理Ⅲに合格。
「頭が良いから受かったのではない。やり方がよいから受かった。」と、ノウハウの重要性を説きます。
その後も、小説や医学の世界でのご自身の才能には見切りをつけ、「長所」である教育分野での仕事を発展させて成功されているそうです。
子供の教育だけでなく、自分自身の生き方を考えるうえでも参考になる内容でした。
「頭が良いのではなく、やり方が良いから。」と言われると、私でもなんとかなるかもーと、少し希望が持てます(笑)
あとは、教育資源の乏しい「地方在住」は教育面では大きく不利だなと改めて感じました。ここは常に意識しておかねば。
③を書いていて、いつかの新聞で目にした女優市原悦子さんの言葉
「悲壮になるくらいなら、やめればよいと思う。好きなことなら、いつも真ん中くらいの順位でもひたすら走っていける。」
が浮かびました。
「好き」をとるか、「得意」をとるか。でも、好きというのも、長所の一つなのかな。
どういう生き方を成功とするかは、人それぞれ。
お読みくださり、ありがとうございます。