インフルエンザ脳症の発症数が、今年は多いというニュースを見ました。死亡例も出ているようです。
インフルエンザの予防接種、「受ける」「受けない」と言った話を、毎年いろいろな所で耳にします。
「予防接種を受けたって感染するんだから意味ない。」
「かかっても薬を飲んで寝てれば治るし。」
こんな意見を聞くたびに、「だからさぁ…!」と呆れると同時に腹が立ちます。
今ではだいぶ認知されるようになりましたが、インフルエンザの予防接種は「感染を予防するもの」ではなく、「重症化を防ぐもの」です。
インフルエンザは、健康な成人ならば多くの場合は重症化せずに治癒します。
でも、子供や高齢者の場合、脳症や肺炎など、重症化し命に関わることがあります。
脳症は子供に多いとされ、死亡例はもちろん、重度の後遺症を呈することもあります。
私の働く病院でも、今までインフルエンザ脳症で入院したお子さんを何人か見てきましたが、接種歴を見るとやはり「未接種」でした。
後遺症は、一生です。
脳症の発生率はそこまで高くはないけれど、「万が一」が起こってしまったら、もうそれは確定。
どうやったって、その事実を無き物にすることはできない。
子供はずっと、その障害を背負って生きなければなりません。
「予防接種を受けさせておけばよかった。」と、親がどんなに後悔しても、障害は消えません。
予防接種を受けさせる、受けさせないを決めるのは親だけど、被害を被るのは子供です。
毎年、インフルエンザの予防接種を巡る話題を耳にする度に、腹立たしい気持ちになっています。
と同時に、接種を勧奨しているくせに、毎年のように「在庫無くなりました。」を起こしているこの国の状況にも腹立たしい。
毎年10月頃になると、「あ~そろそろ予約しなきゃ。」と、そわそわするのは疲れます。
お読みくださり、ありがとうございます。
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